ホットサンドメーカーズクラブ(HOT SANDWICH MAKERS CLUB)

“異文化の食材も挟んでホットサンドにしてしまえば大抵美味しくなる。そこに政治的対立やイデオロギーは関係ない。例えばロシアとウクライナ、それぞれの郷土食材を挟んだらどんな味になるのだろうか。私はホットサンドメーカーを持って旅することにした。これは私なりの「わからないもの」「わかり合えないもの」の引き受け方である。”

“Even ingredients from different cultures are usually delicious when sandwiched together and made into a hot sandwich. Political conflicts and ideologies have nothing to do with it. I wondered, what the local ingredients of Russia and Ukraine would taste like if I sandwiched them together. I decided to travel with a hot sandwich maker. This is my way of accepting what I don’t understand and what we don’t understand each other.”

「ホットサンドメーカーズクラブ」は、旅をしながら出会った人々の物語を集め、語り継くことを目的としたプロジェクト。作品はドイツで出会ったウズベキスタン移民”Rasu”を題材としている。彼が語った言葉、「俺はウズベキスタン出身じゃない、人間出身だ(I’M FROM HUMAN)」が刻印されたホットサンドメーカーを使い、ウズベキスタンの郷土食材を挟んで振る舞うパフォーマンスを行なってきた。ロシアに占領されていた国の複雑な歴史や、移民当事者が受けてきた痛みを遠く離れた私たちが共感することはできなくても、ホットサンドを食べる=身体に言葉ごと直接取り込むことで、分かろうとすることはできるのではないか。戦争やパンデミックによって分断進む世界を、ホットサンドで「挟む」という行為を通じて、人と人との繋がりを取り戻す試み。